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風そよぐ、晴れた海

-序章2・ふたりの旅程をずらすこと-

旅立ちの日は、彼女は4月30日。僕は5月1日深夜。


当初ふたりとも軽井沢での1泊だけで行く予定だったのだが、100km以上走って碓氷峠という事もあり、体力に不安のある彼女は、疲労を考慮し熊谷での1泊を増やす事にしたのだ。
平地とは言え、峠越えの日に走行距離が80km減るのは、確かに楽だ。


それまでの経験から、峠越えの苦・楽は、平地、そして峠道に差し掛かるまでのアップダウンが左右する。
平地の距離が伸び、時間が押せば押すほど、焦る。
焦れば平地で踏んでしまうし、手前のアップダウンの疲労が増す。
そして、峠道でヘタる。


峠道全行程を押して上っても、まだ日暮れまで余裕がある程度が理想的だ。
逆に高崎までだと、すぐに登りが始まってしまいアップができない。
これはこれでまた辛い。
それを考えると、熊谷1泊はちょうど良い。


僕は夜通し走り、朝方熊谷で彼女と合流する。
三度の飯よりナイトライドが好きな僕としては都合が良かった。
当日は、家から25km地点にある朝霞水門まで僕が見送る事にした。


ただひとつの心配は、そこから熊谷まで、トラブル無く辿り着けるかだった。


彼女は、ロードのタイヤをリムから外す事はできるが、取り付けができない。
MTBでは何度かタイヤ交換しているので問題ない。
しかし、彼女のロードのリムはフラットで、タイヤのビートを落としこむことができない。
更に、アラヤの650Cリム(現在廃盤)にContinental Grand Prix 650x20C(現在廃盤)や650x23Cを嵌めようとすると、許容周差をプラスに取っているかマイナスに取っているかの関係で、恐ろしくきつい。
友人のチューブレスよりも、嵌めにくい。
僕もコツを掴むまで、ビートをぶった切ってやろうかと思う程度に苦労した。
なので、彼女の腕ではパンク時タイヤを外せても、タイヤレバーを使っても嵌める事が難しい。
しかも、後輪はパンクリスクの高い20Cだ。


  みこの気ままな乗り方で大丈夫だろうか。。。


この点だけは、不安がよぎる。


それはさておき、こうしてふたりの日本海挑戦の旅程が出来上がった。


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# by kaze_soyogu | 2011-06-29 19:06 | 日本海へ

-序章1・日本海への憧れ-

自分の力で、日本海に行きたい。
彼女も僕も、まだMTBしか持たぬころ、そんな夢を思い描いていた。

しかし、いくらタイヤを細くし、ホイールを軽くし、コンポーネントを変更、サドルを厳選し、更にポジションが固定される事による疲労を嫌いバーエンドバーを装着しても、やはりMTBはMTB。
1~2泊で日本海まで行くには、僕らの体力では無理がある。
現にMTBで僕ひとり、青梅街道ルートで山梨方面に向かった時、柳沢峠(1,470m)を越え、甲府までが限界だった。

そこで、僕はビアンキのVIGORELLI ULTEGRAを手に入れ、彼女は2010年のハンドメイドバイシクルフェアで出会った「サンタのおじさん」こと伝説のビルダー、渡辺捷冶氏にオーダー、世界にたった一つのmikoスペシャル(愛称「チェリーちゃん)を手に入れた。
(渡辺捷冶氏は、サイクリング、自転車作りについて、惜しげもなくそのノウハウ、考え方を教えてくださいます。軽さやクイックさを求めるのも良いけれど、自転車そのものだけでなく乗り手の性格や乗り方とのバランスが大切だということを、様々な事象を通して教えてくださいます)
まさに羽の生えたような軽快さ、徹底して踏むクセのある彼女に至っては、サイズ以外に自分のペダリングにまでピタリと合った自転車で、これなら日本海に行ける予感を感じさせるものだった。
その顛末は、下記に詳しく載せているのでそちらを参照されたい。


  ⇒ ロード購入記


ロードを手に入れてからというもの、主に彼女の為に1日180Kmのロングライド、3回に及ぶ風張峠越え、幾度となく房総・奥多摩を走り、アップダウンの続く道のペースの作り方などの練習をした。
いずれも、タイムを計測するような練習ではなく、峠までのペースをどうするか、例え心が折れても、押したって越えられることを体で覚えるための練習だ。
目標は、「ポタ気分、ポタペースで日本海まで行っちゃおう!」。
相当滅茶苦茶な目標だが、ある程度自分のペースが分かり、心の準備ができれば、それだってできるはずだ。


こうして、体力・筋力はそれほど変わらないまでも、機材と経験、心の準備は整った。


当初は漠然と「日本海」と言うだけで、「どの日本海」かは決めていなかった。


  東京から行くなら、新潟だろう。
  新潟のどこ?糸魚川?直江津?
  糸魚川は坂が多いぞ?大月あたりの向かい風もきついし。
  じゃあ、直江津?
 

こうして、あっさりと新潟県の直江津に決定した。

東京から直江津へのルートは、大きく分けて二つ。
草津から渋峠を超えるルートと、松井田から碓氷峠を越えるルート。

2,000mを越える渋峠ルートは魅力ではある。
だが、是非とも峠の釜飯を食べたかったこと、僕の母の故郷である上田を通りたかったこと、何より上り平均斜度3.4%、獲得標高1800m弱と言う敷居の低さが決定打となり、今回は基本の碓氷峠ルートに設定した。

碓氷峠は、国道18号の安中駅を過ぎた辺りから上りが増え始める。
そこから横川までは、直線の上りが多く、また交通量が多いため、無駄に体力よりも気力が減る。
横川を過ぎると、バイパスとの分岐がある。自動車はバイパスに行ってしまうため、交通量は少ない。
坂本宿の直線は少しきついが、カーブの連続する区間になると、傾斜は緩やかになる。
鉄道では、最大66.7パーミルの急傾斜、となっているが、パーミルは千分率。
車道の傾斜ではないが、最大6.6%、平均4%(ルートラボ参照)ならば風張より緩い。
しかもメガネ橋など見所が沢山あるため、飽きずに上れる。
これなら、問題なく抜けられそうな予感がした。


  ⇒ ルートラボ 墨田-直江津


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# by kaze_soyogu | 2011-06-28 14:16 | 日本海へ

そんなに苦労しているのか。

さっきアクセス解析を見て驚愕した。

検索ワードランキングのダントツ1位が、なんと「ペダルレンチ」。

しかも、だ。

「ペダル 外れない」なんてのまである。

そんなにみんな苦労しているのか。

かく言う私も苦労したクチだが。

そんなアナタはこちら。


  ⇒ 最強のペダルレンチ


ついでに、夜間走行時のサイクルコンピュータ用のライトも、皆さんお調べのようだ。


  ⇒ サイコンをライトで照らす-ロード編 サイコンを「夜でも見える」仕様に


ただし、現在はフロントバッグをつけているので、ノグのLED1灯のライトを使っている。

参考になる方はあまりいらっしゃらないかとも思いますが、これについてはまたご紹介しましょう。
# by kaze_soyogu | 2011-06-20 02:25 | ペダル・ペダルレンチ

自転車旅

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5月、まだ雪の残る野尻坂峠・東京~直江津挑戦最後の峠(miko撮影)



5月はじめから時間ができ、GWはじめの墨田~直江津・日本海挑戦を皮切りに、数度の自転車旅に出かけている。
100~160km程度の日帰りのロングライから、1~5泊の「行き先は気分次第」の旅まで。



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東名高速富士川SAとも繋がる、富士市道の駅 富士川楽座の桜海老かき揚げ丼。

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駿河湾岸、光を全身に浴びて走るa-rou.さんと私(miko撮影)



日帰りは、小田原から箱根旧街道を抜け、富士川まで。
富士川ではこの時期旬の桜海老を味わう。



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国道299号線沿いの脇道。高麗周辺

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埼玉林道 平坂飛付線。何がある訳でもないが、農村のような光景に出会える。



白石峠をはじめとする奥武蔵グリーンラインや、ふらりと迷い込んだ埼玉林道 平坂飛付線、ぶんぶく茶釜で有名な館林の茂林寺。
荒川をひた走り、吉見町でイチゴ狩り。



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上州みなかみ・真田氏名胡桃(なぐるみ)城跡より望むみなかみの光景

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信州 杖突峠下の茅野の眺め

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兵越峠を越え、兵越林道を信州・遠山郷へと下る。



泊を重ねる旅では、東京から上州沼田、その後大道峠、鳥居峠を越え上田へ。
その後小諸、碓氷峠を下り東京へと帰る、休養日を含めた3泊4日の旅。

遠州磐田より152号線、兵越林道と繋ぎ、兵越峠を越遠山郷へ。そこから下条村で一泊。
その後駒ヶ根で光善寺参りをし(二泊目)、高遠、茅野、小淵沢(三泊目四泊目)、更に清里、野辺山を越て小諸浅間山麓へ(五泊目)。
最後に雨の碓氷峠を下り、横川から輪行で帰る。



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自転車旅時の装備



泊を重ねる旅となると、装備も厚くなる。
ユースの利用を前提にしていたので寝巻き(薄手のロンTとハーフパンツ)風呂用手拭とバスタオル代わりの「サラッとドライ フェイスタオルタイプ」(薄いマイクロバータオルで、通常のタオルと同じ長さ。吸水性と速乾性が高く軽量で充分バスタオルとして使える)、髭剃り、歯ブラシは必須だ。
洗濯はできるので、替えの衣類はいらない。
それとサプリや補給食。もちろん工具も。



自転車旅_e0066210_1271419.jpg


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夜間の峠道走行も有り得るので、ライトはオーライトT25を3灯、サイコンライト代わりにLED1灯のライトも。
荷物を積むので、タイヤはクッション性と対パンク性能を重視し25Cに。
特に2回目は全行程で獲得標高が8000mを超える。
なるべく重ならないようにしたが、それでも自転車とドリンクを含め12kg~13kgにはなっただろうか。
フロントの重量が増えたため、ハンドルはしゃくり、少し上体を立てた楽な姿勢になるようにポジションを調整する。
なに、峠は行けるところまで行って、ダメなら押せばいい。
誰かと競っているわけじゃない。それくらいの気持ちのじゃなければ、楽しくない。



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信州上田・山並みに流れ込む雲

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上州嬬恋村・霧深く小雨降りしきる鳥居峠(1362m)への上り。写真は約1200m地点。雨雲の中を進む。



普通に考えれば、雨の多いこの時期は自転車旅にもっとも向かない。
事実、5月終盤から泊りがけの旅に出ると、必ず1日は雨に祟られ霧に悩まされた。

特に信州上田、真田町へと向かう鳥居峠の下り凄まじかった。
峠に辿りつく前に日が暮れてしまい、それに加え雨、霧、気温6度という低温、さらには対向車による路面の照り返しに前も見えず、寒さに震え、恐ろしい思いも味わった。



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152号線・遠州佐久間の光景



自転車旅_e0066210_23313436.jpg
上州松井田・霧に霞む碓氷峠の下り



しかし、だからこそ景色もある。
霧に包まれた高原では、希に通り過ぎてゆく車の明かりが、白いもやの中に掻き消されるように消えて行く。それはまるで、他の世界と隔絶され、自分だけが異次元の世界佇んでいるような感覚になる。
峠の光景はあまりに幻想的で、まるで水墨画の世界だ。
思わず立ち止まり、しばしその場に身を置いていたい心持になる。



自転車旅_e0066210_0244595.jpg
清里・眼前を泳ぐ雲。橋の先に見える上りは、緩く見えるが標識によると9%。2段階に分け約1.8km続いている。



清里に向かう道では、雲がまるで湯煙のように目の前、そして眼下を流れて行く。
自分の力で、仙人の世界に来てしまった。
そんな光景が広がっている。


もちろん、雨や霧の走行、増してや峠越えなどお勧めはしない。
まず自転車やバッグはデロデロになる。
僕は泥除けのないロードにバッグを着けていたので、それは凄まじくデロデロになる。

雨具のせいで上りは蒸れるし、下りは寒くブレーキはまるで効かない。
効かないにもかかわらず、ブレーキシューはまるでグラインダーで削っているかのように減り、カスがキャリパーにこんもり溜まる。
もちろんリムも真っ黒。
夜ともなれば、対向車の明かりによる路面の照り返しやサングラスに付いた水滴による光の乱反射で、視界はゼロに等しい。
この時期はまだ体も冷えるにもかかわらず、自販機に温かい飲み物はほとんど無いと来ている。


だが、そんな時に出会う、峠の茶屋の一杯の暖かいお茶や、温かいもてなしには、心の底から感謝の念が湧いてくる。
普段はほとんど考えないが、人に支えられている事を実感できる。


幾つかの日帰りロングライドや日本海挑戦は彼女とふたり、若しくは自転車仲間と一緒だったが、
他は全てひとり旅だ。


ひとり旅だと、とにかく人恋しくなる。
悪条件が続けば、心細くもなる。
誰彼構わず話したくなるし、何より善意がありがたい。


ひとり旅は、自分の中の普段閉じているチャンネルが開く。
彼女はそう言う。
確かにその通りで、自分でも普段閉じているチャンネルが開くのを感じた。
そして、次に自分がどこに向かうのか、少し、分かったような気がする。


次回から、5月~これまでに走った道のりを、少しずつ紹介しようと思っています。




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# by kaze_soyogu | 2011-06-20 00:51 | ツーリングイベント&自転車旅

天竜-遠州自転車めぐり  太平洋岸自転車道 


天竜-遠州自転車めぐり  太平洋岸自転車道 _e0066210_20181699.jpg


太平洋岸自転車道は、右手に海、左手に松林が広がっている。
このように、たまに松林の中を通り、日陰でクールダウンできるようになっている。


天竜-遠州自転車めぐり  太平洋岸自転車道 _e0066210_20183356.jpg
天竜-遠州自転車めぐり  太平洋岸自転車道 _e0066210_20185421.jpg


途中、太田川付近で150号に出る。
そしてまた海沿いに戻る途中、しらすの直売所があった。
あまりに良い香りに、宅配でお買い上げ。

ここに炊き立てご飯があれば最高だ!

天竜-遠州自転車めぐり  太平洋岸自転車道 _e0066210_20191448.jpg


遠州灘に注ぐ川は非常に多い。だからサイクルロードにも、こんな立派な橋がいくつもある。


天竜-遠州自転車めぐり  太平洋岸自転車道 _e0066210_20193092.jpg
天竜-遠州自転車めぐり  太平洋岸自転車道 _e0066210_20193825.jpg


そして砂も多い。
たまに砂に埋もれてい箇所もある。
だた、定期的に砂を掃っているようで、掃った跡もいくつか見られた。
こうして走れるように手をかけてくれるのが、実にありがたい。

天竜-遠州自転車めぐり  太平洋岸自転車道 _e0066210_20195384.jpg


感動したのがこの標識。完全自転車専用の標識だ。
そしてここは、県道376号線、浜松御前崎自転車道線と言う。
一部国道150号線の歩道部分を通る事もあるが、そこにも県道376号線の標識が立っている。
なんて素敵なんだ、静岡県!東京とは雲泥の差だ。

なお、ここから先はほとんど写真が無い。
菊川を過ぎた辺りで熱中症気味になり、定食屋で1時間の休憩。
それでも写真を撮りながら走る余裕は無く、何とか焼津までたどり着いたもののかなり辛かった。

御前崎辺りなど、海の向こうに富士山と言う素晴らしい眺望なのだが。

この自転車道は、舗装も割れていたり、砂に埋もれていたり海風を浴びながら何十kmも走れるのは、気持ちが良い。

是非サイクリストの皆様に走って欲しい道だ。


ただし、真夏以外にね。


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# by kaze_soyogu | 2011-02-10 20:21 | 天竜-遠州自転車めぐり


自転車をカッコよくカスタマイズ。そしてときどきポタリング。ある日突然シクロツーリストになったりも。


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