風そよぐ、晴れた海

3:2



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2006年3月11日 吉祥寺 ゆりあぺむぺる
FUJIFILM FinePix F11



彼女は事の他お喋り好きだ。


僕が新しい発見を話そうとしてウキウキしていても、ソワソワと話したい素振りを見せていても、そんなことはお構いなし。
話したいことを気の済むまで話し続ける。
まぁ、気が済めば、あとでちゃんと聞いてくれるから、それはそれで不満はないのだが。


3月だというのに、真冬より厳しい木枯らしが吹き荒ぶ、ある日曜日。
この日も、「そんな毎日」のひとこまがあった。

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久々にひとりで夕暮れ時の吉祥寺を歩き回り、程よく疲れたところで、馴染みの喫茶店に入る。

それなりに美味いウィンナー珈琲と、さして美味くない割りにやたらと値の張るハムサンドを頬張りながら、芝居見物に出かけた彼女の帰りを待っていた。
しかし、すぐ手持ち無沙汰になって、デジカメを弄り回し始める。


近頃、何を撮ってもどこか違う。
撮った写真の出来、不出来ではなく、もっと根本的に何かが違う。
デジカメの液晶モニター映っている画そのものが、自分の感覚からズレている。


何が違うんだろう?


そう思いながら、いろいろ弄りパチリ、パチリとやりながら原因を探る。
露出、シャープネス、カラー、ホワイトバランス、絞り、測光......
どれを弄っても、今ひとつしっくり来ない。
30分以上そんなふうに弄り回し、いい加減諦めかけた時、ふと、ひとつ閃いた。


画像の縦横比、3:2。


これがなかなかいい。
自分の感覚にドンピシャでハマる。
これまでの4:3ではまるで生気の無かったモニター越しの画が、俄然、まるで何かのワンシーンのように、静かに主張し始める。


楽しくなって、パチリ、パチリとやっていると、芝居見物からやっと戻った彼女が、店の戸をカラン、カランと鳴らす。


夢中になって開口一番、この発見を報告しようとする、僕。
しかし、いつものように軽くいなされ、これまた夢中で芝居の話を始める彼女。
まぁ、いいか。いつものことだ。
今はたくさん話したいんだ。
気が済んだら、この発見をニコニコしながら聞いてくれるだろう。
そう思いながら、楽しそうに話す彼女の横顔を眺めている。


そんな毎日が少し、心地いい。





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2007年3月11日 吉祥寺 『ゆりあぺむぺる』
OLYMPUS CAMEDIA SP-500UZ

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by kaze_soyogu | 2007-03-14 01:03 | 東京散歩


自転車をカッコよくカスタマイズ。そしてときどきポタリング。ある日突然シクロツーリストになったりも。


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